35オーバーしたらメイクを考えないとやばいことに気づいた
めっちゃ仕事がやばかった2016年の夏。
わたしは取引先に行って自分の仕事の最後の仕上げをしなきゃいけなかった。
本来なら手元に仕事を戻して確認作業できるのが通常だが、納期がずれにずれこんだため(わたしが遅かったためですね)そんな余裕もなかった。二ヶ月近く自宅に引きこもって仕事していたので、都心の華やかなる会社に行くのは超おっくうだったし仕事のしすぎで頭おかしかったのだがなにせ戻せないのだ、原稿を。だから仕方ないので、GUの黒いトップスに二年前に買ったままほとんど履いてなかったアンクル丈の黒いテーパードパンツにライトグレーのカーディガンを着て、黒い鞄と適当なパンプスを履いて、化粧もして、千代田区に降り立った。
はたして、取引先の担当者は久しぶりに太陽の下に出てきたわたしを見て一瞬固まった。だが相手はできる人間なのでなにも言わず、予約した会議室にわたしと原稿を放り込むと夜中の0時までわたしを放っておいてくれた。
仕事終わりにJRの駅のホームでわたしは幽霊を見た。
それは、真っ白な顔をしたわたしだった。え?なにこの顔。今日この顔で出てきたの?というくらい、顔だけが白く浮いていた。
どうしたどうしたいくら疲れているからって。
隠れるように家に帰って数日後、無事入稿の知らせとともに、「いや~ぽきこさん疲れてたから」と言われて、やべえやっぱヤベエ顔してた?と思った。
おもむろにメイク道具を取り出し、いつもどおりメイクをした。
やばい。どう見ても、どこをどう見てもこれはヤバイ。なんというか自分の顔だけが白く浮いているのだ。そこだけ鈴木園子なのだ。
合ってないファンデーションをつけてます!!みたいな感じバリバリなのだ。
わたしはショックに打ちひしがれた。
数日後、仕事のやばさから家の中のことを回せなかったわたしを手伝うために来てくれていた親戚を、品川駅まで見送った。駅の本屋で、わたしは一冊の本と出会う。
それが長井かおりさんの著作、『必要なのはメイクではなくテクニック』だった。
おい!!これは今読むべき本では!?
わたしは35を超えていた。いつの間にきたこの年齢。突然の肌の変化を感じていた。
即座に購入した。メイクの本を買ったのは生まれて初めてだった。
これまでなんとなくの知識でやっていたスキンケア、メイク。
真面目に取り組もうと思ったのは、千代田区の駅のホームで見た、幽霊のような恐ろしい自分を忘れられなかったからだ。
果たして、この本は私にとって天啓のようなものだった。
「顔全体にファンデーションを塗ると白く浮きます」
これこれ!!これだ!顔だけ鈴木園子の原因はこれだ!
「スキンケア、目尻の皺まで化粧水を塗ってますか?」
塗ってない……どうやって塗るの?
「一度、自分の睫が思い切りあがったところを見てください。こんなにきれいになれるんだと思えます」
睫って、肘の角度を変えるとこんなにあがるの!? 睫をあげると、こんなにわたしの眼、大きくなるの……??
きれいになれた!みたいな自信がつけられる本だった。スキンケアは手つきの違い。手を変えたらたしかに、ざらざらだった肌が一週間できれいになった。化粧品カウンターで、肌を褒められた。
長井先生ありがとう、私は一生あなた様についていきます。
長井先生が提唱する、「誰にでもできて、一生使えるアプリコットメイク」はたしかに、誰にでもできて、一生使えると思う。
だがまあ、人間同じメイクしてると飽きてくる。
長井信者は変わらないが、長井先生流メイクを、ちょっとだけ自分流にアレンジしたりしなかったりしつつ、とりあえず顔だけ鈴木園子状態を脱して、やってきた二年。
私ももうすぐ39です。
加齢ってすごいよね、なんなん? てくらいのスピードですべてを変えていくのだ。なんならこっちは心の中身は全然変わってないし、二年前の刀剣乱舞キャラ順位付けが1大倶利伽羅、2一期一振、3燭台切光忠なのだって変わってないし、ヒプノシスマイクで好きなキャラ順位付けしてよ~!って言われたら、1がスパダリで2がやや面倒くさそうなタイプで3がオネエみある長身なのも全然変わってねえ。
だけど肌は変わっていくのだ。腹のたるみも変わっていくしたるみっちゅうかもうこれ内蔵が出てんじゃない?下腹に内蔵たまってない?って感じ。
だから、そろそろこれだけじゃエイジングも追いつかない。毛穴もたるんできた。なんか他にもないかな、と思っていたらツイッターで女子アナメイクという本が回ってきた。ものは試しと、Kindleで買って、実践してみたよ。
でもねえ、なんだろねえ、はっきり言おう。宮澤さん提唱の女子アナメイクと、長井さん提唱のアプリコットメイク、基礎は一緒! そしてどっちも一長一短ある!
どっちでもいい! と、思いました。
長井信者だけど、宮澤さんの手法のほうがいい部分もあるなと思った。簡単に言えば、宮澤さんのほうが手間が少ない。長井さんメイクは手間が多い。一方で、さすがこれから女子アナになる人たちを指導しているだけあって、そりゃ22の女の子にはこれでいいけど35オーバーにこれだけじゃあ無理ってもんだぜ、ってのもあった。
そんなことを踏まえて、二人のメイクテクの共通する考え方は以下。
・メイク前の保湿がすべての土台を作る(保湿さえできてれば崩れない)
・美肌ゾーンだけきれいにしたら他はほとんどなにもしなくてもきれい
・チークはクリームチークとパウダーを二つ使う
・アイシャドウは一色~二色で十分 グラデなどいらぬ
・アイブロウはブラシでせよ
・睫はしっかりあげろ
・マスカラはごてごて塗るな
・アイラインは大きくひくな
・パウダーファンデは使うな BBかリキッドにしろ
・全員に似合う色は基本ピンク(アプリコット)
そして違うところ。
・UVケア
長井さんはUV入りの乳液派。
宮澤さんはUV入りのBBクリーム派。
・下地ののせかた
長井さんは下地を二種類使う
宮澤さんはUVケアの工程を下地ととらえる。(下地使わない)
・ファンデーションの載せ方
長井さんは目の下の美肌ゾーン中心で他はほぼつけない
宮澤さんはBBクリームORリキッド(UVケア工程で使った物と同じもの)を指でタップして全体に載せる。ただし美肌ゾーンに厚めにのせる。
・パウダーの使い方
長井さんはルースをTゾーン、ミネラルファンデをブラシでその他に載せる
宮澤さんはルースのみ、全体に載せる。
・アイシャドウの使い方
長井さんは指でブラウンのみ
宮澤さんはブラウンとハイライトを使う
・アイブロウ
長井さんはほとんどなにもしなくていい派。
宮澤さんは眉命。
・マスカラ
長井さんはブラシを45度角度に曲げる以外特筆なし
宮澤さんは根元に塗ることを重視
・リップ
長井さんは指で撫でてなじませることを推奨
宮澤さんはリップペンシルを推奨
・コンシーラー
長井さんは基本必要なし
宮澤さんは行程内に入っている
・お直し
長井さんはお直しをほぼ必要としない。色つきリップとパウダーを持ってたらいい(実際、長井メイクはほぼ直すことはない)
宮澤さんは油とり紙とミストローション、リップ、グロス、パウダーを持ちあるくことを提案。(ただしこちらもさほど落ちない)
行程の数
長井さん
ミストローション→ローション→UV乳液→下地ピンク→下地毛穴カバー→ファンデ→ルースパウダー→ミネラルファンデ→クリームチーク→アイメイクブラウン→睫アップ→アイライン→マスカラ→眉メイク軽め→パウダーチーク→リップ
16行程
宮澤さん
ミストローション→保湿ジェル→ジェルと混ぜたBBかリキッドをスポンジで伸ばす→ファンデタップ→コンシーラー→パウダー→クリームチーク→アイメイクブラウン→アイメイクハイライト→睫アップ→アイライン→マスカラ→眉メイクがっつり→パウダーチーク→リップペンシル→リップ
16行程
メイクにつかう品数
長井さん
ミストローション、ローション、昼用乳液、下地ピンク、ポアカバー下地、ファンデ、ルースパウダー、ミネラルファンデ、クリームチーク、ブラウンシャドウ、ビューラー、アイライナー、マスカラ、眉パウダー、パウダーチーク、リップ
16
宮澤さん
ミストローション、保湿ジェル、ファンデ用BBorリキッド、ルースパウダー、クリームチーク、コンシーラー、ブラウンシャドウ、ハイライト、ビューラー、アイライナー、マスカラ、眉パウダー、ペンシル、パウダーチーク、リップ、グロス
16
びっくりするくらい同じやんけ
比較する必要あったのかなと思ったけどもう書いたしいいわ。
でもだから、きれいの基本は一緒なんだなあとは思います。
長井さんは一つ一つの行程は軽いんだけど、やることが多い感じ。
宮澤さんは一つ一つの行程が長い感じです。どっちもいいけどね。
で、宮澤さんのではカバーしきれないとわたしが思った年齢てきなあれは、顔の周りの、痩せてるとこにハイライトを入れることや、口角周りをコンシーラーいれることでカバーできる。長井さんはミネラルファンデという行程が入るので、これで結構年齢的なあれがカバーできたのだ。
でもそれでも、結局は隈の下にコンシーラー入れたほうがいいとか、頬まわりだけ、コントロールカラー下地入れたほうがくすみが飛ぶとか、あるけど。
宮澤さんの方法だと、すっごい、肌がみずみずしくしあがるし、長井さんの方法だと、崩れ知らずで大人っぽい、色気のある感じになるのではと思う。
どっちもありだなと思いました。どっちの本もお手ごろ価格のドラッグストア化粧品をいっぱいオススメしてくれてるから、両方買って読むのもいいと思った。
ただスキンケアについては、長井さんの方法のほうが、夜はいいです。
朝は宮澤さんのやり方で十分な気がした。
でもそれでもこけた頬やたるんだ毛穴はどうともならねえ。
幽霊には今のところなってない(はず)だが、年齢を受け入れつつ、年相応に、人様に迷惑かけないくらいのきれいを維持できれば、いいんじゃないかなんて思うわけだ。
以上、メイクレビューでした。気になったら本買って読むと面白いです!