春夏シーズン、服を合理的に買いたい

毎年毎年、確定申告があるたびに思い知る。

本の買いすぎ、舞台通いすぎ、いやしかしそれらは作家には血肉。いいのだ。

それより問題は服の買いすぎだ。

そのすべての服を有効活用し、素敵に使いこなしているならいい。だけどそうじゃない。着ないままクローゼットに眠り続ける服もあれば、一度着てなんか違うと思って、そのまま捨ててしまう服がありすぎる。

わたしは服を消費している。本来は、着飾ることで楽しい気持ちになったり強い気持ちになったり、新しいことにチャレンジしたりするパワーを得られるはずのアイテム、服。

あるいは、社会に生きるエコノミーアニマルとして、自分は危険じゃないですよとかあなたたちと仲良くするつもりはありますとか、あるいは社会一般の常識を理解したいと思っています、というノンバーバルコミュニケーションツールとして役に立つアイテム、服。

 

しかし最近の私は、着たら素敵じゃないわたしが素敵になるかもしれない、という幻想のために服を買っていた節がある。

己の理想像を服に課しても、中身はそこに伴わないので虚無感が募り、またもっと理想を満たしてくれそうな服を探す……いわゆる自己承認のためのアイテム、服。

それもあっていいものだが、結局のところその服を捨ててしまうなら、満たされたかった私も永遠に葬られ続けているような気がして、服を買う事、捨てる事に罪悪感がつきまとうようになる。

 

できることなら、自己承認欲求を満たすための服だとしても、愛したい。

愛があれば、その服を着ている自分だって愛せるじゃあないか。

いつもいつも前より理想的な私になるんじゃなくて、いつもいつも自然体でいられる自分のほうがいい。

 

というわけで、今年はいくつかの服を買う指標を設けた。

 

1・ノンバーバルコミュニケーションのための服は安価なものをワンシーズン一つから二つ。

 

2・部屋着はへたれたら捨て、捨てた分買いますが、着心地の良さを優先する。

 

3・お出かけ着はワンシーズンワンコーデをそろえる。この服が好きだし着ているときの自分が好きだしこれ以上の自分にはなろうとしなくていい、こんまり先生的に言ったらときめく服を買う。

 

1のノンバーバルコミュニケーションのための服というのは、分かりやすく言えば、私にとってはママ友と会うときの服だ。

奇抜すぎない、おしゃれすぎない、カジュアルだけど攻撃力はなく、そこそこにトレンド感と清潔感のある服である。

これは大体、無印良品とGUで十分である。今冬はGUの小花柄のネイビーのワンピースが大活躍した。上にセーターやビッグサイズベストを着ることでバリエーションも出せるし、カーディガンを羽織ってもいい。なので今年の春も同じような形のワンピを一枚、GUで買うつもり。夏場は薄手のスウェット地、またはワッフル素材の半袖ワンピースを買い足しておけば間違いないはず。春はアウターで、夏は靴を変えれば対応できるはずだと思う。

ゾゾタウンでランキング一位にいるようなカジュアルで普通~のワンピース。

これがママ友との戦闘服。

 

2の部屋着は、実はこの三年、春夏はずーっと同じものを着ていた。しかし着すぎてそろそろ破れたり、お茶のシミがついたりしてきているので今年買い換えるつもりである。三年着ていたのは1800円のサロペットで、三色買って着回していた。下に着るものを長袖→半袖にするだけで春夏使えるのが楽。ただし真夏は暑いため、真夏のみGUのワンピースなどで過ごしていた。

今年もそれでいいかなと思いつつ、この冬、私は無印のワンピースに出会ってしまった……

比類なき着心地の良さ。着ているという感覚のなさ。

肌触りの良さ。着やすさ。へたらなさ。すべてが部屋着として完ぺき……。

なので春、無印のワンピースを部屋着に買おうと思っている。ダブルガーゼのワンピースが既に出ていたので、四月を過ぎて買うころにはセール価格になるはずだ。そのときを狙って試着し、気持ち良かったら二枚買おうと思う。まあまた同じサロペットを買ってもいいんだけどさあ。

 

そして3だ。

3については、お金の糸目をつけなくてよい、ということにしている。デザイン性の高いトップスなんかでも、全然いい。ときめきすぎて無理! ってなったら心の中でゴーサインを出すつもりだ。無難な服じゃなくていいのだ。今年の目標は、「あいついつ会っても同じ服着てるな」と思ってもらうことだ。

とはいえ実を言うと私、去年までに買い求めた多くの服のおかげでべつに新たに買わなくてもいいくらいにクローゼットは潤っている。特に去年の夏服たるや……

なんかデザイナーの作った数少ないものにはまっていたから、今年見てもやっぱり素敵……となったりするトップスがいっぱいある。

それでもなんでも服がほしくなるだろうから、そのときのために、めちゃめちゃ好き! というアクセルが踏まれたときだけ買おうと思う。

結局去年買って本当によかったのはウィムガゼットのニットや、クラネのトップスだった。あとSTUDIOUSのスカート。これらは今年も着るし、着るとき嬉しい気持ちになるはず。

こんなふうに、早くあの服着たいなと、一年経っても思える服だけを今年贅沢服として買うつもりなのだ。

なににしようかなあ、ととりあえず春服を眺めているが、死ぬほどほしい、という服にまだ出会わない。吟味するのも楽しいなと最近気づいた。

 

それとはべつに、今年は旅行したいので、旅行用の服はほしい。一着でいいんだけど、南に行きたいから、気安いマキシワンピがほしいのだ。

去年まで着てたものが二着壊れて、今一着しかマキシワンピがないので。

 

というわけです。いい服を、買うぞ。